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琴乃の劒冑 [装甲悪鬼村正 琴乃の劒冑(感想)]

装甲悪鬼村正 琴乃の劒冑 第十二話(最終話)

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◆信子さん

何でも出来てしまうが故に何をすればいいのか分からなかった信子さん。天才故の悩みですね。
そんな信子さんにとって、何も出来ないのに突っ走しって、自分の道を切り開こうとする琴乃はとても眩しい存在だったようです。

以下妄想垂れ流し。

大和は勿論、世界を取り巻く情勢が情勢ですから、きっと自身の才能で何かをしたいと信子さんは喘ぎ続けていたと思うんです。

そんな彼女の目の前に現れた琴乃は、出来るかどうかは問題では無く、自分が何をすべきなのかを問題とし、また、それを即断即決して行動に移す事が出来る(ほとんど直感的に)、信子さんにとっては理想とも言える強さを持ち合わせていた。

だから、琴乃の意思に自分の能力を合わせることが出来れば、きっと何かが上手くいく…と、根拠は無いでしょうが、そこに希望を見出し、信じていたのかもしれません。

今になってみると、信子さんが何をしたらいいか分からなくなってしまったというのは、騎手時代のライバルであった操が関係していたのではと邪推してしまいます。

ライバルとして認めていた操の裏の接待を知り、アーマーレースや騎手としての自分の価値に自信が持てなくなったことで引退。

ではこれから世界とどうやって向き合おうかと思った時に、自分にはあまりにも選択肢が多すぎた。
その結果、己の価値を強固なものにする為に、より危険で、けれど世の中を動かせる世界に足を踏み入れてしまった…というのは、さすがに妄想しすぎか(笑)。ただこう考えると、グレムリンを暴走させた時の取り乱し様も、より納得出来る…かも。うん、やっぱり考えすぎかな。

◆鍛冶場
濁流に呑み込まれて流れ着いた先は、なんと母も砥師の仕事で使っていた鍛冶場の近くだったそうな。ああ、そういえばここは琴乃の故郷だったっけ。金神様の泉も勿論健在。

◆村雨
鍛冶場に残された紅い甲鉄は、琴乃の母親が三世村正を研いだ(修理)時の名残らしい。あるいは村正を研ぐ前に練習用で用意したものなのかも?真打には自己修復機能が備わっていますが、研いでもらう方が手っ取り早いのかな?

仁義礼智忠信孝悌(じんぎれいちちゅうしんこうてい)。村雨も登場する八犬伝でお馴染みの言葉ですね。人が生きてく上で大事にするべき八つの道徳。琴乃が図工の時間に数珠として作ったものを、母は大事に持っていたようです。自分でもビックリですが思わずジーンときました…。

「真打を打てたら、死んでもいいのに…」

やはりここに立ち返って来るのですねぇ…。

瀕死の信子を助けるべく、いよいよ始まる、琴乃一世一代の劒冑鍛造。

使う材料は、鍛冶場に残された鋼にグレムリン、そして村正を研ぐ際に母が残したと思われる紅い甲鉄。親子の合作みたいな感じですな。
注ぐ技術は、母仕込の砥師の技と、レーサークルスのメカニックとしての勘所、英国で見た鍛造の知識。これまでの波乱万丈過ぎる人生で得た稀有な経験を、これでもかと叩き込んでいます。

慈悲の劒冑クルタナの鍛造失敗を目撃したおかげで、覚悟も決めやすかったのか、意を決し鎧を身に着ける琴乃。

仁義礼智忠信孝悌。琴乃のこれまでの経験において、これらは一体どんな現れ方をしたのか、しなかったのか。それぞれに思いを馳せつつ、ソレらを劒冑に打ち込んでいきます。村正の心鉄に刻まれた理念が善悪相殺なように、村雨には仁義礼智忠信孝悌の思いが刻まれたのでしょうか。

憧れていた劒冑は幻想に過ぎず、ならば自らがその劒冑になれば良いと悟る琴乃。

◆装甲仁義村雨 始(勝手に管理人が言ってるだけです)

仁義礼智忠信孝悌
抜けば玉散る氷の刃
振れば命(たま)散るさだめのツルギ

劒冑大好き少女の物語は終わり、真打・村雨とその仕手、大塚信子の物語がここから始まるのでした。

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◆村雨、そのスペックとは
三世村正やウィリアム・テルといった真打に加え、最新の数打や競技用劒冑等、琴乃がこれまでに触れてきた様々な劒冑の意匠が盛り込まれた、世界最新と言っていい真打劒冑だそうです。

その性能は、村正(関鍛冶)の影響を強く受けてか旋回性に優れるも、関鍛冶の特徴である低空低速では無く、競技用劒冑(レーサークルス)の思想も受け、低空での加速性が高いのだとか。ちなみに性能強化アイテムのオヴァムも打ち込まれています。

武器は大鎚オンリー。右腕から伸びるケーブルは数打の特徴でもあり、大鎚に熱量を送り込んで威力を増加させることも可能。ちなみに、大鎚の使用には多大な遠心力が生じる為、騎航戦闘は不得手なんだとか。その分陸戦では大活躍しそうですが…しかし騎航しながら武器を使うのが苦手というのも思い切った仕様だなぁ(笑)。

ちなみに、デザインを担当された石渡マコト氏のツイッターを拝見すると、

>あのハンマーは所謂パイルバンカーみたいに小型の合当理付きハンマーだったりします。

このような呟きが…。低空での優れた加速性に、パイルバンカー的ハンマーとか、虎徹ならぬ古鉄ですな。…素晴らしい。

合当理はやはり西洋式の、熱量変換型単発ロケット推進型。母衣は競技用劒冑の最新機構である4WD。母衣には琴乃の肩にあった刺青と同じ文様が。

陰義は、オヴァムを獲得したグレムリンのモノの発展系と思われますが、詳細は一切不明。元ネタ的に水系な気はしますが、真改のような液体操作では無く、水分そのものを操るとかだと面白そう。

独立形態は犬。尻尾は琴乃ポニーテール風味で可愛いですね。

◆妄想。村雨vsウィリアム・テル
以前ジョーンが村正を評する時に言っていたのが、「地上での近接戦なら面白い勝負になる」というもの。

これって、正に村雨の為にあるかのようなシチュエーションですよね。
低空での騎航に優れ、かつ武装が大鎚という村雨ならば、上手く地上ないし低高度での近接戦(例えば屋内等)に持ち込めば、良い勝負になりそう?仕手の信子さんが天才属性というのも効いてきます。

輝彩甲鉄のテルは、双輪懸の初手において上を取るのは大得意。騎航戦闘が苦手(主に武器のせい?)な村雨にとっては、斬られるにしろ撃たれるにしろ、双輪懸に勝ちを見出すのは至難。
どうやって自分の得意なフィールドに相手を誘い込むかが、勝利の鍵といったところでしょうか。未だ不明な村雨の陰義が関わってくると面白いですね。

あくまで妄想ですが、仮に村雨が水分を操れるとしたら、陰義対策として霧を作り出し、まずテルの視界を封じます。
次に、ジョーンがテルに熱源探査を指示する前に(仕手から劒冑への指示でどの程度のタイムラグがあるかにもよりますが)、一気に加速して接近。一撃で致命傷を与えられればいいけれど、それが無理なら合当理、もしくは左手の武者弓を破壊…これでようやく勝機が見えてくる…かな?都合良すぎるけど。

如何せん村雨は癖の強い劒冑。普通にチートなテルが相手では、まともに戦っては一蹴されるのがオチ。文武両方に秀でた信子さんが、村雨でどう対策を練るかが重要でしょうなぁ。…妄想終了。

※追記
基本性能が高くても、普通の戦い方しか出来ない劒冑では、やはりテルには普通に正面から負けそうですし、これくらい癖があった方が、突破口さえ得られれば面白くなりそう。

◆邪念目録
物語には終わりがあれば始まりがある。これから先の二人の活躍が楽しみな一枚です。
そして、やはりパンチラ…。信子さんはパンツ担当なのか(笑)。


琴乃の故郷が安房の国(八犬伝の主な舞台)だったり、村雨の仕手が大塚信子さん(八犬伝では犬塚信乃)だったり、村雨の独立形態が犬だったり等、随所に八犬伝の要素が散りばめられてたんですなぁ。って、もっと調べてみたら著者の名前が滝沢馬琴というのか。ふむふむ(昔習った気もしますがすっかり忘れてますな)。

って、村正世界の八犬伝では、村雨もやはり劒冑なのか(笑)。


一年間に渡ってたっぷり楽しませて頂きました。無い知恵絞ってああだこうだ毎月考えるのがとても楽しく、いくつかは予想が当たってたりもしてニヤりとしたり。ジョーン達との決着は少女琴乃ではなく、新たな武者・村雨がつけてくれることでしょう!百合武者万歳!

で、これで一先ず琴乃の劒冑の感想は終了…とはいかず、バックナンバーを入手次第、残りの感想も挙げようかと思います。持ってるバックナンバーを見直すと、各話に色々伏線が散りばめられてたりするので、見返すのが楽しみです。

ではでは。

※そのうち、ここにもいくつか追記しようかと思います。


その他の琴乃の劒冑の感想はこちら。


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