第十九編 [装甲悪鬼村正 魔界編(感想)]
今月の装甲悪鬼村正 魔界編
第十九編の感想です。
ちなみに、前回の分の話はこちらでも読めます。
◆そうだ。俺だけが知っている
「建朝寺でつかなかった片を…ここで付けねばならん…」
「聞き捨てならねー台詞だなジジイ」
「どけ。今やらねば、俺はまた、同じ事を繰り返してしまうのだっ」
いきなり"俺"だの"片を付ける"だのと、それまでのキャラから一変してしまった親統坊。
不穏な気配を察した茶々丸は当然彼に立ちはだかるのですが、
「そうさ。あては世にも珍しい生体甲冑。フルパワーじゃないのが申し訳ってな!」
なんと単独で虎徹へと転じるという大盤振る舞い。
しかしフルパワーでは無いというのはこれ如何に。召喚された時点で既に雷蝶に斬られた後だからとか?少なくとも弱っているのは確かなようで、香奈枝さんのスマイルの意味はこれだったのかな。
まさかのダイナミック・親統坊アクション。
この爺さんただものじゃないよ!!…いやホント、茶々丸の体術って半端ないはずなのですが…。無手の組打で茶々丸とやり合える人って六波羅の中でも片手の指より多くはいなかったはずですし、更に言うなら不完全とはいえ今の茶々丸は虎徹化してるわけで。
「金神片!!」
いや、驚く所はそこもそうなんだけど、むしろ親統坊の正体というか…これってやはり…。
上の方の"俺はまた"ってセリフ辺りから何とも予感のようなものは感じていたのですが…一先ず正体に関する話題は置いておきます。
「下がれ足利茶々丸。貴様の出番は此処ではない」
「はっ。あてがお兄さんに刃向かうと思って召喚んだってんなら、とんだ人選ミスだ!」
嬉しいこと言ってくれるぜ茶々丸…。さすがは第二回の人気投票個人戦の覇者。村正において、こうやって声を大にして主人公の味方であることをを表明してくれる美少女のなんと貴重な事か(美少女って所が大事
しかし出番は此処ではないっていう親統坊の台詞が何とも不吉…。
◆この俺がどの面下げて神に頼むのだ
「…バカな」
こ、この顔は…!?
親統坊の素顔に虚を突かれた後、押し倒される茶々丸。何これエロい。今月は茶々丸の出番が多いだけでも嬉しいのにサービスし過ぎじゃありませんかね!?
「見てきたぞ。お前は声が聞こえるのだったな。あらゆる声が」
どうも親統坊は、他の召喚武者と同じく時間を渡ってきた存在のようで。召喚武者達が見てきた光景は、原作で言う所の魔王編へと進んだ湊斗さんの歴史でしたし、親統坊も時渡りの過程で茶々丸の能力についての知識を得たようです。
後でもう一度触れますが、どうやらこの親統坊さんは、湊斗さんの歴史を覗くまでは茶々丸の能力を"知らなかった"ようですね(ここ割りと重要)。
そういえば今の茶々丸、地下の金神の声は聞こえていないはずですが、相変わらず劒冑の感覚は健在なわけで、未だに安眠とは縁遠いのでしょうかね…。
◆効かない× 足りない○
「てめぇ軽々しくっ!あての苦痛と重圧がどれ程のもんかっ。」
淡々と茶々丸の能力に関する知識を述べる親統坊に激怒した茶々丸は、感覚共有の陰義"咆哮の城塞"を使用。
しかし効果は見えず。茶々丸は自身の陰義が通用しなかった事に驚愕しますが、親統坊が言うには効かないのでは無く足りないとの事。…つまり劒冑の感覚情報を生身の脳できちんと受けた上で平然としていると。何この人、超人?
「お前程度の苦しみ方では、この湊斗景明の罪は、到底贖えぬ」
と、いうわけで。なんと、なんとなんと、親統坊の正体は湊斗景明本人でした(なんだってええええ!!??
…本屋で買う前に立ち読みしていたのですが、頭の中はもう「どういうことだキバヤシ」状態…。さすがにこれは予想出来なかったなぁ。親統坊って「親が統様のお坊さん」なんて意味だったりして?
…とりあえず親統坊景明では長いので以降は親明とでも呼ぼうかな(え
「神の声さえも拾うお前の感覚なら、このやり方がいいだろう」
察するに、左目の金神の欠片の力と茶々丸の感覚を利用し、口頭を省いて自分の記憶を茶々丸に伝えようとした感じでしょうか。
で、どんな感じのシーンなのかと言いますと、
こんな感じのシーン↓
「ああっ」
「それ以上近付くんじゃ、ねぇっ…」
「や…やめっ…」
「いやだっ…声がっ…」
「や…め」
「ヒィイッ」
…こうやって書き出して台詞並べると、なんだか凄く卑猥に聞こえてくる不思議!(おい
◆親明さん
親明さんについて気になるのはやはり、彼がどんなルートを経てどんな時代からやってきたのかと言う事。
まず現時点で分かっている親明さんの情報を推測混じりで書き出してみると、
①体が悪い(金神の欠片の影響か、熱量の過剰消費が原因か)。
②悪鬼編後の湊斗さんが自分と同じ事を繰り返すと考えている。
③自分の体力(?)を熱量(カロリー)と表現。
④六波羅でも随一の体術を誇る茶々丸(更に、不完全とはいえリビングアーマー状態であるににも関わらず)を圧倒。
⑤茶々丸の能力は親明のルートでは判明していない。
⑥親明は金神を倒している。
⑦大法要を終えた今、大願成就は近い…らしい。
こんな所でしょうか。
邪念編と同じく、どこかのBADから派生して親明さんが生まれたと考えると妄想が膨らみますが、膨らみすぎてなんとも収集がつかないですな…。とてもじゃないですが文章に起こせるほどまとめられそうにありません。⑦の大願成就に至っては推測所か憶測にしかなりませんしね…。
ああだこうだ書いておいてあれですが、親明さんの辿った軌跡については素直に次号待ちということで(えー
ちなみに上とは別にまだハッキリしていないのは、
①建朝寺に武者を集めたかった理由。
②武者の召喚を行っていたのは親明なのかどうか。
こちらについては少々考えを書いてみます。
①について。
「目指すは建朝寺大法要。全てを知るは親統坊」という召喚武者への刷り込み、そして今月の台詞を合わせて考えると、召喚武者は湊斗さんへの刺客であり、親統坊の計画では湊斗さんには建朝寺で死んでもらいたかった事は確定だと思うのですが、召喚武者が単なる刺客としての役割だけなのかがまだハッキリしません。茶々丸のように、明らかに別の役割を与える為に呼んだ者もいるわけですしね。
②について。
比較的大きな金神の欠片を有している事から有り得ない話では無いと思いますが、単体で成し得ているのかはまだ不明。とはいえ、カロリーを大幅に消費している原因が武者の召喚なのは間違い無さそうです。
それにしても、村正のルールを承知の上で湊斗さんと契約を結んだ時の意味あり気な親統坊の反応、湊斗さんに呼び捨てにしてくれと言われた時の小姓ちゃんの反応等、親統坊の正体を知った上で既巻を読み返してみると新しい見方で楽しめますね。来月を読んだ後はもっと読み返すのが面白くなりそうで今からワクワク。意味深な湊斗さんの夢の正体も来月で分かるかしら?
さて、ではではまた…とする前に、最後におまけ。
今月の茶々丸集。
一話の中でここまで茶々丸に出番があるとは思わなかったのと、銃爺先生の茶々丸がなんともラブリーだったので。
それともう一つ。
今月のブレイドで公開された魔界編第三巻の表紙です。
発売は六月八日。後少し!
失礼致します。某掲示板でこんなことを言われています。
親統坊って分解すると『親』が『統』の『坊』とさりげなくネタバレしてるんですよね。この展開には度肝を抜かれました。
単行本含め、次が楽しみです。
by 通りすがり (2012-05-31 20:16)
>通りすがりさん
コメントありがとうございます!
親統坊の由来はとてもありそうな話ですね。
後、湊斗さんが僧侶の格好をしていたのも、今にして思えば伏線だったのかもしれません。
魔界編は話が先に進むに連れて新しい伏線の発見も出来、本当に良く練られているなと感心してしまいます。
by にしん (2012-05-31 21:18)
毎回のご解説、とても感謝です
自分は村正のためだけにブレイド買うほどの豪気を持ち合わせていないもので、いつも立ち読みで済ましてしまう雪車町に即刻斬られちまいそうな半端者です……
このブログでは逐次情報の整理ができるので重宝しています
やっぱ茶々丸の押し倒し方が坊=景明を如実に表してますよねww
by 六郎出道邪宗 (2012-06-01 21:57)
>六郎出道邪宗さん
コメントありがとうございます!
一応他の作品にも目を通してはいるのですが、やはり九割がたは村正の為ですねぇブレイドの購入は。琴乃の劒冑の頃からそうなのですが、連載版との読み比べが結構楽しくて。
茶々丸を押し倒す親統坊のコマは、一目見て「悪鬼!」と心の中で叫んでしまいましたw
未熟なブログを重宝していると言われて大変恐縮ではありますが、なんとかもっと良くしていけるように頑張ります!
by にしん (2012-06-01 22:46)
>フルパワーじゃない
「仕手が居ないんだよ、寝取られてんだよ、畜生!」という
心の叫びでは?
このまま親統坊に調教されて是非三世村正対虎徹の景明対決が見たいものです。
コミックブレイドが中々見当たらない中のご紹介、非常に感謝しております、有難う御座います。
どうかお元気に最後まで宜しくお願いいたします。
by 小次郎 (2012-06-19 14:45)
>小次郎さん
>「仕手が居ないんだよ、寝取られてんだよ、畜生!」という
>心の叫びでは?
なるほど!その線も考えられますな!
親統坊が虎徹を纏うのでしたら、仕手の金神パワーでよりパワフルになった虎徹が見てみたいですね。兜割対兜割とかも見てみたいなぁ。
>どうかお元気に最後まで宜しくお願いいたします。
はい!最後までしっかり魔界編を応援していきたいと思います!
by にしん (2012-06-19 19:27)