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第二十一編 [装甲悪鬼村正 魔界編(感想)]

先月の装甲悪鬼村正 魔界編

第二十一編の感想です。

 


◆江戸柳生は六波羅派の台頭により完全に姿を消した。だが…
六波羅新陰流…正しくは柳生新陰流六波羅派は、徳川時代末期に江戸柳生を離れて六波羅の隷下となった、柳生某さんを祖としているそうで。

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「基本が同じだからこそ────その恐ろしさが身に染みる」

多くの独特の技法を持ち、柳生流とは言いかねる面もあるそうですが、湊斗さん曰くあくまで基本は同じなようですね。
そして銃爺先生による柳生常闇斎!中々に貴重ですな!

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まずは双輪懸一合目。
打ち合いになる事なく完璧に野太刀が入っている…ように見えます。
…見えるのですが、十兵衛さんはまるで意に返さず、何事も無かったかのように村正へ太刀を打ち込み、湊斗さんはこれを辛くもガード。
斬った箇所からは黒い何かが吹き出ているようにも見えるのですが、果たしてこれは如何なる演出か。

≪この距離で空振りなんてありえないけど≫
「…僅かながらに手ごたえはあった」
≪陰義を使ったにしても相手の熱量に変化なし。相州正宗のような機巧でも使ったのかしら?≫


熱量に変化は無いそうで、どうも陰義では無く何かしらの機巧の可能性も?
あるいは、頭部の編笠のような部分から本体の前方に虚像を映し出して間合いを狂わせてるとか?とも思ったのですが、僅かながら手応えがあったそうで、この線は薄そうです。
そして何より、

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「村正。視覚強化!」

ここでチリッと僅かに掠っているんですね。つまり実体の無い虚像の類では無いと。…まさか質量のある残像とか!?(なんとぉー!!←だから陰義では熱量の問題がry

余談ですが、武者にとって熱量運用の絶妙な見切りは必要不可欠です。
通常間合いに入るまでは合当理に全力で熱量を注ぎ、間合いに入れば即座、身体強化に全力給熱します。
今回の一合は身体強化の中でも特に視覚に重点的に熱量を注いだという事と思われますが、かといって熱量の分配をしくじってヘナチョコな一撃を披露する事になれば、それはそれでアッサリと見切られて大ピンチに陥る可能性大ですし、こういう局面での微妙な熱量の匙加減も武者にとっては大事な技術なのだと思われます。

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これは陰義だよなぁ…。ちゃんと太刀入ってるし。しかし熱量の謎が…むぅ…ではやはり機巧による虚像なのか…しかしどちらにしても"手応え"があったとはこれ如何に。
そういえばGHQの基地での数打戦でも、敵の銃撃に対して似たような現象を発動させてたような…。

この距離ですら柳生十兵衛の水月(まあい)なのか?

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水月とは、武術においては心の境地や刀法・構えの名称等、様々な意味が存在しますが、ここでは一足一刀の間合い(一歩踏み込めば攻撃可能な距離)の事を指すようです。
それにしても湊斗さんは、十兵衛さんの如何なるアクションに対してこのセリフを言ったのでしょうか?

ゲーム本編での湊斗さん曰く、双輪懸において先に高度優位に立った側は、打ち合い後もその速力を生かして素早く上昇に移る事が出来るの対し、低位側は速度を回復する為に降下しなければなりません。
故に高度劣勢側は、可能な限り素早く旋回し、敵が態勢を立て直す前に突撃して逆転を図るか、一度戦域を離脱して勝負を仕切り直すのが一般です。
旋回性に優れる武者ならば前者、加速性に優れるならば後者を選択し、時には剣技で打開を図る猛者もいるとか。

では今回の場合はどうでしょうか。
直前の一合は湊斗さんが高位、十兵衛さんが下位側です。
そして打ち合いに勝利したのは十兵衛さん。
その後の両者の選択を想像混じりに解釈すると、十兵衛さんが素早く旋回に移ったのに対し、態勢を大きく崩された湊斗さんは、一度仕切り直しを図ろうと距離を取りつつ高度を稼いでいるようにも見えます。
勝負が仕切り直しになるとなれば、十兵衛さんも改めて高度を稼ぎに入ると思うのですが、湊斗さんの台詞から察するに、どうも十兵衛さんはそのまま追撃に入っているとも解釈出来ます。
つまり、十兵衛さんにとってこの距離は勝負が仕切り直される距離ではなく、あくまで自らの間合いの内であると。
本当にこの距離が十兵衛さんの間合いなのか、本当だったとして十兵衛さんは一体どんな手札を隠し持っているのかは、次回明らかになる………かもしれません。多分。



さて、湊斗さんもまるで勝てる気がしないと発言していた十兵衛戦ですが、まだまだ今回は序章と言った所でしょうか。
上の解釈は管理人個人の適当な憶測に過ぎないのですが、それはそれとして、今号は十兵衛さんの力量の底知れなさが不気味に描かれていたような印象です。
次号以降、十兵衛さんはどんな手の内を披露してくれるのか、もしくは披露させる程にどうやって湊斗さんは彼を追い込むのか、まだまだ目が離せませんね。
後には十兵衛さんに重傷を負わせた相手も控えているでしょうし、まずは次回でなんとか互角に届く位までは待ちこんで欲しい所ですが…さて、どうなることやら。
次回も楽しみに待ちたいと思います。


コメント(2) 

コメント 2

へこ太

更新お疲れ様です。最新話の感想読ませて頂きました。
ついに火蓋を切った柳生十兵衛との二輪懸。武者戦のセオリーとしてまずはと撃ち合う地力勝負。やはり序盤ゆえか「底が見えない」という嬉しい結論。引き出しが多そうで長期戦になってくれるのは読み手としては万々歳です。
そしてこちらでの考察や絵を見る限り、「真田さんや伊達さんよりやっぱりスゲェのね!!」と嬉々快々。
今から単行本四巻とこちらの次回の感想がたいへん待ち遠しいです。
今回も楽しく、興奮させられる感想に感謝であります。季節の変わり目なのでお体に気をつけて下さいませ。失礼致します。
by へこ太 (2012-10-06 20:30) 

にしん

>へこ太さん
「剣術とはとどのつまり、どこまでも化かし合い」とは妖甲秘聞鋼の文章だったでしょうか。
真田さんや伊達さんとの双輪懸が正面切っての力のぶつかり合いだったのに対し、十兵衛戦は知恵と技を駆使した読みあい、化かし合いの様相が濃くなりそうな雰囲気でしたね。ですので、一合一合ああだこうだ考えるのがとても楽しいです。次回もじっくり堪能したいと思います。

>今から単行本四巻とこちらの次回の感想がたいへん待ち遠しいです。
単行本四巻は今からどうなるか肝が冷える思いも少々ありますが、発売の暁にはまた一生懸命頑張る所存であります。

>季節の変わり目なのでお体に気をつけて下さいませ。失礼致します。
大変恐縮です。今年の冬も魔界編で体を熱くさせながら乗り切ろうと思います!へこ太さんも健康には十分お気を付けて下さいませ!
by にしん (2012-10-06 22:20) 

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2012-09-272012-10-19 ブログトップ
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