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第二十三編 [装甲悪鬼村正 魔界編(感想)]

先月の装甲悪鬼村正 魔界編

第二十三編の感想です。


※原作の致命的なネタバレが含まれておりますので、原作未プレイの方はご注意下さい(原作ゲームを未プレイの方がこの記事を読まれる可能性はほぼ0に近いとは思うのですが)。

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◆虎徹か
親統坊に組み伏せられて強制的に彼の過去を覗かされていた茶々丸ですが、前回のラストにおいて戦闘中の湊斗さん達の元に強制乱入…というか吹っ飛ばされてきました。
で、それに気を取られた湊斗さんは十兵衛さんから一太刀浴びせられる事になってしまったわけですが、それでも鋼糸を飛ばして吹っ飛んてきた茶々丸をキャッチ。些細なシーンですが、湊斗さんの男っぷりに乾杯です。

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どう見ても事後です。本当に(ry
それにしても茶々丸は、親統坊の正体が別の可能性の湊斗景明で、更にその過去を覗いた為か、大分ショックを受けている様子ですな。

そして十兵衛さんは茶々丸の正体まで知っているようで。…もしや足コキも見られていたりするのだろうか(まて

◆魔剣装甲悪鬼

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「認知してください」

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「知りません」

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「じゃあ世界滅ぼします」

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「じゃあ殺します」

以上、よく分かる装甲悪鬼村正あらすじ…じゃなくて。
…すいません。このシーンに限って言うならば、邪念編のあらすじはピタりと当てはまるわけでは無いのですが(湊斗さん、認知しなかった事をむしろ後悔してるフシもありましたし)、ついネタが浮かんできてしまったもので…。

それはさておき、まさかここで魔王編ラストの名シーンが詳細に描かれるとは。教経さん登場の辺りでも触れられていましたが、あそこよりも更に踏み込んだ描写になっています。

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「……そう か…」
「そうだ、この掟が」
「愛の実在を証明する」
「やはり、あった」
「ここに…あった」
「愛は、あった!」
「ならば────良し!」


ここまで描ききっちゃったよ!!しかもまた作画が凄く良いんです!!本編のイベントをこのクォリティで描かれたら、管理人もうシャッポを脱ぐしかありません。長すぎて現実的な話ではありませんが、本編のコミカライズを担当されてもきっと原作ファン大満足の作品になりそうだなぁ。

◆その者の名こそが、わが野太刀の銘

俺はただの湊斗景明として
湊斗光を殺した…
愚かにも公(せかい)の大義に従う武力行使者(えいゆう)として銀星号(まおう)を殺すなどと思い違えていた俺に
真実を気付かせてくれた者がいたからだ…

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湊斗さんによって語られる茶々丸への感謝の気持ち。なんとなく茶々丸も満足そうな表情を浮かべています。茶々丸好きなら胸が熱くなるシーンですな。
しかしこれってかなり危険な兆候でもありますよねぇ…。
本編でああいう形で別れる事となった湊斗さんと茶々丸ではあるのですが、湊斗さんからの感謝の気持ちと、自分が死んだ後に自分の名前が野太刀の銘となって湊斗さんと共にある事を改めて聞かされ(恐らくは湊斗さんの過去を見た事で既知だとは思うのですが)、この時点で茶々丸がかなり報われる形になったというのは、もう原作プレイヤーとしては死亡フラグにしか見えない…。
茶々丸がここに吹き飛ばされたのも、十兵衛さん倒した後の相殺対象フラグなんじゃ(ブルブル
退場はしょうがないにしても、茶々丸が去るのはどうかもう少し後にならないかなぁ…不安だ…。

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「悪を斬るは英雄などと思い違えてはならぬ」
「無我で悪を断じては決してならぬ」
「故に俺は俺の意思を以って」
「善悪相殺を施工せねばならんっ!」


当方村正に一片の迷い無し。剣豪・柳生十兵衛殿に一手馳走仕る、といった感じでしょうか。
悪鬼たる覚悟が完了している事の再確認的セリフなわけですが、つまりは、改めてそれを己自身に宣誓しなければならないほどの敵と対峙しているという事でもあります。
当然そこには「ここで負けるわけにはいかん!」という意味も込められているわけで、魔界編で言うならば相手が柳生十兵衛さんのような強敵だからこそ映えるセリフでもありますね。

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死合い再開。
湊斗さんの振り下ろしは難なくかわされ、横薙ぎで追撃(野太刀の間合いが広い広い)するもこれまた見切られ…と思いつつ下のコマを見てみると、どうも月影が発動しているようですね。
これは十兵衛さんが上手く影の領域に斬撃を落とし込んだと見るべきなのか(月影を考慮に入れた立ち回りを行っているでしょうし)、湊斗さんの剣の冴えが十兵衛さんを捕らえつつあると見るべきなのか。

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湊斗さんの攻撃後の隙を逃さず、十兵衛さんは湊斗さんの脇腹を斬り付けますが、衝撃はともかく甲鉄は斬り破られなかった様子。

◆御堂…本当に僅かだけど、敵騎に損傷が見受けられるの

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ここで村正の指摘する損傷とは、先程の湊斗さんの横薙ぎの際に付けられたもののようです。

≪推測の域を出ないけど、影の濃度が損傷の度合いに影響を与えるんじゃないかって…≫
「………。一連の流れの中、不自然な動きがあった。高度優勢を取らなかったのも光源の位置を気にしての事か」


村正の推測が正しいならば、これまでの十兵衛さんは、常に月影の発動に有利な位置取りを意識して立ち回っていた事になるわけですが、これは成る程素直に頷けます。
しかし、

≪影が最も薄くなる角度が奴の弱点って考えれば≫
「先の先。光の先を斬れば、奴を倒せる」


先の先、光の先とはどういう意味だろう?

「すなわち影の領域は月影のみ。月の影は月の光でしか出来ない」

三池の陰義の名は月影。
つまり陰義の効果範囲となる影の領域とは、月の光によって生まれた影の部分だけであると湊斗さんは考察します。
これが事実ならば、月影もまた随分と極端な陰義という事になりますなぁ。月光によって自騎に影が生まれている時限定の、絶対的な攻撃無効効果とは。騎体そのものの特性は剣豪向け。陰義の効果は夜間戦闘を主とした隠密向けと言った所でしょうか。
ここまで発動条件が限定されているならば、常時発動が可能というのも、チートというよりむしろそれ位でないと困るかもしれませんw
勿論使用下における熱量消費効率そのものは瞠目と言う他ないわけですが。
まぁしかし「影が出来ていれば攻撃は効かないよ!」というのではあまりにもあんまりなチート性能なので、そこまで出来すぎた話では無くて少し安心しましたw

それにしても、湊斗さんと村正の月影に対する考察を踏まえた上で先月号を読み直すと、十兵衛さんの戦巧者っぷりが改めて際立ちますな。この方、剣腕だけの御仁ではありません。

◆村正。磁気加速を、この場で重ね続けろ

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・影が最も薄くなる角度が三池の弱点。よって、先の先、光の先を斬れば十兵衛を倒せる
・陰義の効果範囲である影の領域は、光源が月光である場合のみ有効

以上の考察から、湊斗さんは磁気加速を重ね続ける事を選択しますが、これには一体どういう意図があるのでしょうか。
まず磁気加速とは、つまり磁装・正極なわけですが、その本質は磁力制御による反発と吸着を利用し、全身のあらゆる駆動系を効率化する事にあります。
ゲーム本編においては移動時の加速技としても用いられていますが、それならば上位互換である辰気加速でいいはず。しかしこれは、

≪加速なら辰気収斂があるわ≫
「動く必要は無い。いや、1粍(みり)たりとも動けば失敗する」

と湊斗さんによって否定されています。
となると、磁装・正極のもう一つの使い方である、攻撃動作の速度の引き上げの方はどうでしょうか。
例えば、十兵衛さんが先手を打とうとする瞬間を見極めた上で、磁装・正極を用いて機先を制する…つまり吉野御流 無明の理+磁気加速で先の機を取り、影の薄い部位を狙うというのはどうだろうとも思ったのですが、上の湊斗さんの考察の要点と絡めると、どうもしっくり来るような来ないような…。
ちなみに無明の上位互換には無我や夢想があったと思うのですが、こちらは少し前の「無我で悪を断じては決してならぬ」や「故に俺は、俺の意思を以って善悪相殺を施工せねばならんっ!」というセリフを見るに、どうも今の湊斗さん、無我や夢想と言った境地に至るつもりはさらさら無いように思えるのですよね。なのでこの可能性は低いかなぁ…。雑念を捨てて、善悪相殺を貫徹するという一念の元に兜割、とかならまだありそうな気もしますが、まぁどちらにしても、湊斗さんの考察を踏まえた上での戦法と考えると、やっぱりこの線は薄そう。

「動くは陰義のみ。それを誘導出来るか否かが勝敗を分かつ」

誘導とな?これは一体どういう意味なのか…。
うーん。あるいは、磁力で雲を湊斗さん達の上空に引き寄せて、月光を遮る事で月影の効果を弱まらせるとか?



さて、湊斗さんの意図はまだ不明ですが、一先ず次回で月影は攻略出来そうな気配でしょうか。
となると、湊斗さん自身は電磁撃刀の使用と磁気加速を重ね続けたせいで熱量に余裕は無いでしょうし、湊斗さんと十兵衛さんによる真の剣腕勝負が始まるのか、あるいは月影の攻略と同時に湊斗さんが勝負を決めてしまうのか。
個人的には次の一手で決着といかず、後一山見てみたい気もするのですがさて。


コメント(6) 
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コメント 6

トモロ マレクレイター

更新楽しみにしてました。今回の話は原作ファンには嬉しい展開です。

>以上、よく分かる装甲悪鬼村正あらすじ…じゃなくて。
ホントにここまで長ったらしい物語(褒め言葉)を簡潔に表したあらすじはないですよね。

>ここまで描ききっちゃったよ!!しかもまた作画が凄く良いんです!!
ブレイドから知った人には壮絶なネタバレではありますがこのシーンは落葉聴きながら思い返すとさらに泣けますからぜひゲームで観てほしい所です。

>「悪を斬るは英雄などと思い違えてはならぬ」
 「悪となって悪を斬る」のではなく「自らの意志を以って善悪を断つ」これこそが"武を行使する者の覚悟"を装甲悪鬼村正を象徴しています。

>湊斗さんと村正の月影に対する考察を踏まえた上で先月号を読み直すと、十兵衛さんの戦巧者っぷりが改めて際立ちますな。この方、剣腕だけの御仁ではありません。
 前回の十兵衛が「ちと暗いか」と竹を斬って明るくしてくれたのも実は月の光に当たるために必要だったったわけですね。あと推測なんですが三池のあの三度笠?みたいな兜はあれは武者の装甲の薄い個所である首元に常に影が出来るようにあのような形状になっていると考えられます。

>誘導とな?これは一体どういう意味なのか…。
最初は自分も攻撃速度の引き上げで影のできる位置を見切って斬るかとも思いましたが、ニシンさんの磁力で何かを雲を引き寄せるというのは大いにありそうだと思います。むしろプラス磁力はこうするのが正しい使い方ですからね。磁装・正極はその応用でしょうし。なんにせよ湊斗さんの天才と凡才の差を埋める奇策に期待します。
by トモロ マレクレイター (2012-12-02 11:33) 

にしん

>トモロ マレクレイター さん
>ブレイドから知った人には壮絶なネタバレではありますが
そういえば以前、原作をプレイせずにブレイドの連載で興味を持って魔界編の一巻を購入された方をお見かけしたのですが、その方は今ちゃんと付いて来られているのかどうなのでしょうねぇ(遠い目

>あれは武者の装甲の薄い個所である首元に常に影が出来るようにあのような形状になっていると考えられます。
おお、なるほど!影を作る為のパーツなのかなとは思っていたのですが、特に首元を守る為というのは有り得そうな話ですね!

>ニシンさんの磁力で何かを雲を引き寄せるというのは大いにありそうだと思います。
これが本当だとしたら、引き寄せる間は磁装・正極をひたすら発動させ続けるわけですから、村正に正気と言われるのもむべなるかなといった所ですねw
by にしん (2012-12-02 16:32) 

theBee

これ茶々丸生け贄要員にしか思えんな・・・。
原作では安らかな感じで見送ったが、景明はもう一度、自身の悪鬼っぷりを追認、再認してジュウベエ戦後に斬っちまうんだろうか

なんにせよ魔界編は別格にクオリティ高いよな。 これは良い魔改変だ。
by theBee (2012-12-02 21:57) 

にしん

>theBeeさん
>景明はもう一度、自身の悪鬼っぷりを追認、再認してジュウベエ戦後に斬っちまうんだろうか
もしそうなるとしたらファンとしてはキツいですが、茶々丸はきっと安らかに受け入れてしまうのでしょうなぁ…。

>なんにせよ魔界編は別格にクオリティ高いよな。 これは良い魔改変だ。
おかげで月末は毎月非常に楽しみですw
by にしん (2012-12-03 21:56) 

ロッカ

やっぱり光の描写は必要ですよね。お茶を濁した書き方をするよりはっきり書いたほうがやっぱりファンにとっては嬉しいですね。
村正はここで終わっていたら綺麗なありきたりな話ですが、この後の魔界編につながる話こそが奈良原さんのえぐさ全開で、やっぱり村正はこうだよなという感じでした。

魔界編の景明さんはもう考えが定まっているのであんなえぐさはできないでしょうが、締めがどうなるのか本当に気になります。

オーリガとの出会いの話とかあるかと思っていたんですが現状の様子ではなさそうですね。
by ロッカ (2012-12-08 10:19) 

にしん

>ロッカさん
>魔界編の景明さんはもう考えが定まっているのであんなえぐさはできないでしょうが、締めがどうなるのか本当に気になります。
自分は小姓ちゃんの扱い方に注目しています。締めにまで残ってきそうな気もするし、その一歩手前で脱落しそうな気もするのですが、中々ショックの大きいイベントが待っていそうな予感(ブルブル

>オーリガとの出会いの話とかあるかと思っていたんですが現状の様子ではなさそうですね。
一巻の頃はそういう予想をした事もあったのですが、そこまで話を広げる事は無さそうですよね。
オーリガさんとの出会いはとても美味しいネタなので、どこかで描かれる機会があるといいのですが。
by にしん (2012-12-15 23:05) 

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