第十六編

今月の装甲悪鬼村正 魔界編

第十六編の感想です。

ちなみに、第一編と前回の分の話はこちらでも読めます。

 

◆超高熱源飛来！当たれば甲鉄が融けるかもしれない温度よ！
前回中々に強力そうとか書きましたが、いやもう本当にガチで強力な陰義らしく。

「村正。野太刀の刀身のみに磁装・負極は可能か？」

甲鉄をも融かしかねない炎が迫るのに対し、無策で真っ向勝負はあまりにも危険。
というわけで湊斗さんが取った手というのが、

「何っ！？炎を切っただと」

なんと村正の陰義で炎を一時的に制御するというとんでも技でした。
炎を切ったように見えたのは、炭素の微粒子が反磁性体であることを利用し、強力な磁界を発生させて押し出しているということなのでしょうか？う～ん、物理苦手だから適当です…。

「磁場で炎を御するとはっ！？」

終いには炎を束ねて相手にお返しする始末。祖父と母も偉大ですが、中々どうして三世も凄い劒冑です（勿論それを活かす仕手があってこそなのでしょうが）。
…しっかし村正伝は技が多いなぁ。

ぶつけ合った炎が相殺されると、今度は野太刀・虎徹vs蜘蛛手十文字での近接戦へ。

≪腰部と腹部甲鉄の表層が破損！違う、これは──────蒸発っ！？≫

石突きの部分にのみ炎気を纏わせ、通常攻撃の威力を底上げ出来る陰義の使い勝手の良さにビックリです…。甲鉄が蒸発って、手を炭に変えかねないリスクを背負った朧焦屍剣の立場が…正宗さん涙目ってレベルじゃないぜ…。

≪御堂！野太刀だけじゃ防ぎきれない！≫

野太刀による力押しでは切り崩せない、信繁さんの技量による巧みな槍捌きに、陰義までプラスされるとなると恐ろしく厄介ですな。

ちなみに野太刀の技で有名な薬丸自顕流は、防御の技は一切無く、敵に攻撃を仕掛けられた際は、敵に斬られるより早く敵を斬るか、相手の攻撃を自分の攻撃で叩き落すという形で対応するそうで。
恐らくは吉野御流においても、野太刀は攻撃こそが最大の防御という攻めに特化した武器として扱われているでしょうし、野太刀で防御に回るのはかえって危険そうです。

「磁装域を拡大！」

磁装・負極を甲鉄表面から更に拡大させることで、強引に間合いをとる村正。

「迦楼羅紅焰翼（かるらこうえんよく）」

しかしそれを、村正伝の陰義で生み出された無数の火の鳥が追撃…！！どんだけ応用効くんだこの陰義は！！
ちなみに迦楼羅というのは、仏法を守護する八神の内の一つで、竜を好んで常食するという伝説上の鳥だそうです。

更になんと、今度は火の鳥達が合体！
火の鳥の生成により一帯が酸素欠乏→周囲からの急激な酸素供給により、火の鳥達が大爆発を引き起こした所を、更に村正伝により制御…という感じなのでしょうか………って、どんだけ強力な陰義なんだよｗ！！（さっきから驚いてばっかや…

「これほどの炎気は初めて練り上げるが…これを御さねば勝機無し！！」

攻撃、防御、移動と、多彩な応用性を発揮する磁力制御ですが、防御技の磁装・負極もまたかなり強力ですからねぇ。まずこれを破られて致命傷を食らったなんてことはないですし、咄嗟の発動も可能というチート防御。ゲーム本編でも安定した性能でした。
まぁこの場合は、防御に徹した状態の村正をここまで追い詰める村正伝の陰義の威力に驚くべきでしょうか。攻撃面における高い応用性とその威力は、現在登場済みの劒冑の中でもトップクラスに入りそうです。

≪表面装甲の蒸発速度が加速！≫
「磁装限界まで磁力を上げろ！！」
≪でもっ≫
「限界を躊躇うな！！！」
≪っ！諒解！！≫

新撰組戦クライマックスを彷彿とさせる熱いやり取りに読んでるこちらもテンションが上がりますｗ
本編後の世界ということで二人の信頼関係も十分に築き上げられていますし、原作ファンとしては安心して楽しめるのも魔界編の良い所。

「…負けぬ、負けられぬ！この信繁を信じて戦う十勇士の義に応えねばならん！」
「この戦いこそっ」
「負けられんのだアァ！！！」

ここら辺読んだ辺りで「ああ、また魔界編に名勝負が生まれてしまったんだぜ…」と確信。
というか、炎で生まれた竜みたいな奴と村正のサイズ比なんだこれｗｗ
蓋を開けてみれば村正伝、三世に似てる似てないとかはもはやどうでもよく、普通に名甲ですなぁ。

ちなみに熾盛光閃翼の熾盛とは、火が燃え上がるように勢いが盛んな様を指す言葉だそうで。

聞こえる…聞こえるぞ！剣理殺人刀のBGMが！！