琴乃の積沸かし

装甲悪鬼村正 琴乃の劒冑 第三話

※最終話まで読んだ上での感想です。雑誌を未読の方は、こちらの公式サイトのあらすじを合わせてご覧になることをオススメします。

◆ガッツな走り
新型騎ばかりの先頭集団に喰らいつく前ちゃんのワスプ。時代遅れの差を縮めるべく命がけの騎航をするその姿に、観客も琴乃達も大興奮。

◆玉屋の特上カツ丼
カツ丼が庶民には高級料理というのは、架空の世界とはいえ時代を感じます。現実でも戦後の貧しかった時期にはご馳走だったそうですし。

◆東雲サーキット
コースを決めるアーチ・パイロンが、海上にまで架けられているというのが興味深いです。普通のコースにアーチがあるだけかと思ったら、どうもそうではない様子。タイヤで走る訳では無いからこういうのも有り得るのか…映像で見たら迫力が凄そうですな。

丸輪水産のクラブ・レイは、またもや危険な走りを披露している模様。
それだけでなく、レースはクラッシュ頻発で荒れまくり、二十の参加騎体の内六騎が騎航不能でリタイヤ、優勝候補の一角である翔京ワークスチームもマシントラブルを理由にリタイヤしていきます。

◆行くぜ、万博ーッ
様子のおかしい騎体にはオヴァムが積まれているのではと考える琴乃ですが、オヴァムとは無縁の自分のチームはいたって順調。このままいけば上位5チームに入り、東京万博出場も夢ではないかもと期待が膨らみます。

「おう、美味いもんが待ってるよ。がんばってこい」

生き生きしたセリフですよね。一人ぼっちになった琴乃にとっては、きっとこのチームは唯一の生きがい。若いエネルギーの全てを注ぎ込んで燃えているんだろうなぁ。
後の展開を知ってると、琴乃にとって人生最良の時期なのかも…。

「琴乃が作ってくれんの？よっしゃ！」

本当はカツ丼なのですが、前ちゃんにとってのご馳走は琴乃の手料理らしい。このフラグはまずいぞ前ちゃん。これは村正なのだ…。

◆先頭集団は15集目に突入
参加騎体は半分まで減るも、先頭集団の騎体はどれも安定した騎航を続け、どうやらオヴァムを使用した騎体はいないようです。

前ちゃんのワスプは五位。そしてその背後には、丸輪水産のクラブ・レイ…。

◆結末
遂にクラブ・レイが暴走。六波羅やGHQのVIPが観戦する貴賓席の方に突っ込もうとし、護衛の武者が迎撃しようとするのですが…。

なんとワスプがレースから離れ、クラブ・レイを救おうとします。実は前ちゃんは医学部卒だったりするのですが、それはまた別の機会に。

助けようとしたワスプや六波羅の武者を振り切ろうと急上昇し、ワスプもそれを追い続けるのですが、レーサークルスでは一定以上の高度は騎航出来ず、推力が落ちた所にワスプが手を伸ばします。

しかし。

その瞬間、クラブ・レイが爆発。当然ワスプも巻き込まれ、前ちゃんは死んでしまいます。

◆それから三ヶ月
レーサーと騎体を失いチームは解散。琴乃はバイトをしながら独力でオヴァムを追い続け、東京万博会場予定地へ…。



◆瀧澤琴乃フィギュア
大鎚とは別に、大鑢（やすり）も持ってたのか。普段は研師の道具として活躍するも、何かあると凶悪な武器に早変わりするとかしないとか。…さすがに鑢は劒冑の武器にならなくて良かった（笑）。

◆世界探訪

欧州では劒冑工法、つまり建築工事用数打が一定の成果を上げつつあるのだとか。これまた興味深いネタです。小さいですが、工事用数打の絵も掲載されています。


故郷を失った琴乃は新しい居場所を見つけ、アーマーレースのメカニックとしての彼女の挑戦が始まる……とはいかず、彼女は再び一人ぼっちに。
次回はまた、琴乃は自分の運命を大きく動かす出来事に直面します。
ゲームでいうならば、ようやく第一編が終った所でしょうか。リアルタイムで読んでた頃は、後の怒涛の展開など全く予想してはいませんでした。